読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

きっと47なのね。

気分はお兄ちゃんですが47歳らしいですよ。

越境。

HIGHTER THAN THE SUN


なんていうか
「どう見てもチビって言うよりはデブだよな」

この仮設観察小屋という
訳の分からんシェルターに連れて来られてはや2カ月
最初の頃はそれなりに退屈しのぎになっていた
砂漠の丘から丘へ滑りながら移動していく
チビ猫と呼ばれる生体の様子も
さすがに飽きてしまって皮肉の対象でしかなくなった。
いったいいつになれば
この任務の本筋である観察の対象を発見できるのだろうか?
夜行性の猫に合わせて昼寝て夜起きる生活は
いつまで続くのだろうか?
もしかしてだけど
もしかしてだけど
俺がこの小屋で観察してるの忘れてるんじゃないの?
お願いだから誰か違うと言ってくれ。
て言うか
誰でもいいから他人と会話が交わしたい。
こんな砂漠のど真ん中で誰かと会う確率なんて0に等しいが。
妄想に浸るか
さもなければ愚痴でも言わなきゃやってられん。
あぁもう空が白み始めてきた。
もう少しだけ外を眺めて
朝日が昇りきったら寝るとするか。

f:id:tk1969:20141106175132j:plain

西暦2400年頃の世界
かつて緑と水の惑星と呼ばれていたこの星も
その大地の殆どが砂漠と化し
それでもしぶとく生き延びている人類は
ほんの僅かに限られた場所に町を確保し生活していた。
町の周りは砂の進入を防ぐ防砂壁が張り巡らされ
その高くそびえる壁を超えて町に入ることができたチビ猫のみ
めでたく野良猫として
町に住み着く権利を得るのである。
生物学者のE何某博士により庭猫理論が発表された
西暦2200年の終わり頃には
既に町は防砂壁で囲まれてしまっていた為
博士が発見した
何故かブチ猫は網戸を見ると登りたくなる性質を利用して
防砂壁を覆うように細かい網目のネットが張られるようになっていた。
砂漠を移動するチビ猫時に捕獲しても庭猫にはならない。
首と頭だけを器用に動かし
エサを食い尽くす家猫にしかならないのだ。
それでは家庭に幸福をもたらすどころか家計を圧迫してしまう。
どうか無事に防砂壁を乗り越えて
立派な野良猫になってくれ
そんな願いとエールを込めて置かれているネットの下のエサ箱に
「さぁ行け!天よりも高く」
とメッセージが刻まれているのは決して大袈裟ではなく
庭猫がこの時代に生きる人々の希望への道標だから
なのかもしれない。
 
「某国のEです」 エピソード7~猫の惑星~
act.3 HIGHTER THAN THE SUN
 
※この物語はフィクションです※
 
 
前のお話は下記よりお読み下さい。
←act.2 


淘汰。 - じゃあ44でいいじゃん。

←act.1


新編。 - じゃあ44でいいじゃん。