淘汰。
もう何日、同じ星空を眺めているだろうか
そして
この広大な砂漠の丘陵を滑るように移動するあれを。
思えば
行きつけの喫茶店の掲示板にあった
「観測員募集」の貼り紙を見たのがケチのつき始めだったのか?
ただ一カ月何かを見ているだけで猫を買って飼う生活が
配給や就業、就学まで優遇されるA級市民としての生活が叶う
ほどの稼ぎができるなんて
ほどの稼ぎができるなんて
今にして思えば上手い話にまんまと乗せられてしまった。
そして契約終了の日に届いた任務延長の知らせ。
砂漠の真ん中でカプセルに閉じ込められ
いつ現れるやもしれない対象を
待ちながら夜行性のアレ達の習性に合わせ
昼寝て夜起きる生活。
それにしても話には聞いていたが
あんなにも見事に
砂漠の起伏を利用して滑るように移動できるものなのか。
砂漠の起伏を利用して滑るように移動できるものなのか。
最初のうちは面白くて良い気分転換になっていたが
一カ月以上も経つとさすがに見飽きてきた。
果たして対象とやらは現れるのだろうか?
それよりも
私は任務を完了させて無事に
家族の元へ帰らせてもらえるのだろうか。
家族の元へ帰らせてもらえるのだろうか。
西暦2200年の終わりごろ
「庭猫理論」を発表し提唱した生物学者のE何某博士により
この時代に合わせてたくましく進化を遂げた猫の生態が
少しづつではあるが解明されていく。
この時代の猫は大きく分けて3種類に分類される。
まず既に地上の三分の一以上を占める砂漠に点在するらしい
猫の穴(仮称)と呼ばれている場所から
猫として砂漠に現れた生体。
「チビ猫」と分類さるこの猫は楕円形に近い体型を有し
足を前後に伸ばし流線形を作って
砂漠の丘陵の起伏を巧みに利用しまさに滑るように移動する。
↑資料画像(E何某博士撮影と言われている)
↑資料画像(E何某博士撮影と言われている)
全容は解明されてはいないが
どうやら広大な砂漠を移動する為の栄養や水分が
楕円形の体型の殆どを占めるらしい。
この猫の穴から現出した「チビ猫」のうちで
無事に町まで辿りつけたものは「野良猫」と分類され
この「野良猫」を保護し繁殖に成功して初めて
「庭猫」となり高額で流通する事となるのである。
西暦2000年初頭までは品種改良等により
多種多様な姿や柄が確認されていたが
E何某博士による庭猫理論が発表される頃には
全ての猫がブチ柄となっていた。
西暦2000年初頭までは品種改良等により
多種多様な姿や柄が確認されていたが
E何某博士による庭猫理論が発表される頃には
全ての猫がブチ柄となっていた。
「某国のEです」エピソード7~猫の惑星~
act.2 TOMORROW NEVER KNOWS
※この物語はフィクションです。