遅球。
メジャーリーグで流行った変化球が
日本のプロ野球に輸入され
そのまま高校野球に広まる現象は
今に始まったことではないのだけれど
今年の夏の甲子園大会を地区予選から見ていて
一つ気になったことがある。
チェンジアップ。
シアトルの大エース、ヘルナンデス投手も得意とする魔球。
まぁ彼の場合はモノホンの魔球なのだが
大概は速球に対して同じ軌道できつつ
スピードが落ちてタイミングを外す変化球
というよりは遅球なのだ。
バッターに近づくにつれて球速が落ち
最終的には落ちるというか沈むような変化をするのだが
その変化でバッターを惑わすというよりは
球速の変化でタイミングを外す意味合いの強い球種が
地区予選ならともかく
甲子園に出場してくるようなチームの打者ならば
自分の近くまでボールを呼び込んで
鋭いスイングスピードで裁ける打者が多い。
少しタイミングを外したくらいではバットを当てられる
ヘッドの返った状態でバットを当てられたチェンジアップは
金属バット相手ではただただ飛ぶボールになる。
威力のある速球があって
それと同じ腕の振りで低めに制球できてこそ
バッターにとって多いに脅威になる球種。
ただ抜いたタイミングを外すボールでは
地方大会では通用しても
甲子園では捕まえられてしまう。
同じ遅い変化球ならば
大きく軌道が変化しバッターの目線も変えられるカーブの方が
高校野球には僕は合っている気がする。
少年野球では
肘を故障する恐れがあるからと言って
カーブを投げささないらしい。
ただケガの原因は投げる投げないではなく投げ方なのだ。
これは僕の師匠から昔聞いたのだが
投手のケガの一番の原因は投球フォームにあるらしい。
振りかえってみても
堀内さん江川さん桑田氏等長きにわたってエースとして
常勝球団に君臨した名投手達もカーブを自在に操っていた。
常勝球団に君臨した名投手達もカーブを自在に操っていた。
手首だけで捻らず
肘を中心に回して投げるカーブは
むしろスプリット系やカット系のボール程肘に負担がかからない
のかもしれない。
せっかくの晴れ舞台で
投げミスが長打に直結する見せかけの魔球を投げるならば
今一度基本に戻って
まっすぐとカーブのコンビネーションとコントロールで
勝負する投手を軸に育成して欲しい。
ミスをするのが大前提の高校野球だからこそ
悔いの残りにくい方法論も大切なんじゃないだろうか?