まだ49なんだからね。

気分はお兄ちゃんですが49歳らしいですよ。

遅球。

メジャーリーグで流行った変化球が

日本のプロ野球に輸入され
そのまま高校野球に広まる現象は
今に始まったことではないのだけれど
今年の夏の甲子園大会を地区予選から見ていて
一つ気になったことがある。
 
チェンジアップ。
シアトルの大エース、ヘルナンデス投手も得意とする魔球。
まぁ彼の場合はモノホンの魔球なのだが
大概は速球に対して同じ軌道できつつ
スピードが落ちてタイミングを外す変化球
というよりは遅球なのだ。

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バッターに近づくにつれて球速が落ち
最終的には落ちるというか沈むような変化をするのだが
その変化でバッターを惑わすというよりは
球速の変化でタイミングを外す意味合いの強い球種が
金属バットを使用する高校野球で果たして有効だろうか?
地区予選ならともかく
甲子園に出場してくるようなチームの打者ならば
自分の近くまでボールを呼び込んで
鋭いスイングスピードで裁ける打者が多い。
少しタイミングを外したくらいではバットを当てられる
ヘッドの返った状態でバットを当てられたチェンジアップは
金属バット相手ではただただ飛ぶボールになる。

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威力のある速球があって
それと同じ腕の振りで低めに制球できてこそ
バッターにとって多いに脅威になる球種。
ただ抜いたタイミングを外すボールでは
地方大会では通用しても
甲子園では捕まえられてしまう。
同じ遅い変化球ならば
大きく軌道が変化しバッターの目線も変えられるカーブの方が
高校野球には僕は合っている気がする。
少年野球では
肘を故障する恐れがあるからと言って
カーブを投げささないらしい。
ただケガの原因は投げる投げないではなく投げ方なのだ。
これは僕の師匠から昔聞いたのだが
投手のケガの一番の原因は投球フォームにあるらしい。
振りかえってみても
堀内さん江川さん桑田氏等長きにわたってエースとして
常勝球団に君臨した名投手達もカーブを自在に操っていた。
手首だけで捻らず
肘を中心に回して投げるカーブは
むしろスプリット系やカット系のボール程肘に負担がかからない
のかもしれない。

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せっかくの晴れ舞台で
投げミスが長打に直結する見せかけの魔球を投げるならば
今一度基本に戻って
まっすぐとカーブのコンビネーションとコントロールで
勝負する投手を軸に育成して欲しい。
ミスをするのが大前提の高校野球だからこそ
悔いの残りにくい方法論も大切なんじゃないだろうか?