猫話。
※ ↑の続きです。※
~春の舞姫~ 後編
それは遥か彼方より飛来せし物。
山と大河なる国の姫巫女に縁遠(えにし)の皇子が産まれ
新年として国中が更なる幸福の訪れを信じていたちょうどその頃。
国の北部に連なる山々に向かい
白く光る球体の様な物が天から流れていたのです。
それは遥か彼方より飛来せし物。
暫くの間
それは山々に包まれるように眠りについていたのですが
ある日ふと目覚めた時
眼下に広がる豊穣な大地と穏やかに暮らす人々の景色が
とても羨ましく思えてしまったのでしょう。
突如覚醒してしまったそれには
気持ちを鎮め国と一緒に和やかに暮らすと言う選択肢は
思いつかなかったのかもしれません。
やがてそれの羨む気持ちは悪の気となり
山から吹く風に乗って国中に拡散し
以前は無かった心の暗黒面を人々に植え付けていったのです。
皇子が産まれて数年後の菫の季節
突如として起こった天変地異によって
山と大河なる国は大きな被害を被りやがて衰退してしまった
とのみ文献には記されています。
山と大河なる国は大きな被害を被りやがて衰退してしまった
とのみ文献には記されています。
でもその最中
山より現れたところどころに斑点のある白く光る球体と
姫巫女が戦った話は記されていません。
「退きなさい異界より来たりし使徒よ
最愛の者の名を最強の呪文に変えて」
戦いの最後に姫巫女が使った秘術の事はもちろんのこと
皇子のその後の事さえ触れられてはいないのです。
だからこそ覚えておいて欲しいのだ。
春の麗らかな山と大河なる国で舞う姫巫女と
彼女の力を受け継ぎ次なる時代へと旅立った皇子がいた事を。
これから私が語る物語。
春の国の姫巫女とその皇子の血を引く者と
得体の知れないナニカと呼ばれる白くて黒い斑点のあるモノとの
戦いの物語。
私にとっての史実がより多くの人々にも史実になるように。
猫関係ないじゃん!
と思われた皆さまには大変申し訳ありません。
そうなんです
某国のエージェントEさんの生い立ちに猫は関係ありません。
ただこの後のEさんと得体の知れないナニカとの最終対決や
「某国のEです。」全エピソードには猫いっぱいでてきますがね。
コチラで連載した「某国のEです。エピソード7」にもでてきた
「猫の生態Mの記」へと続いていくのですが
それはまた後日のお楽しみといたしましょう。
とりあえず奈良のお嬢(id:ka-ruto)のお受験が済んでからかな。