読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

きっと47なのね。

気分はお兄ちゃんですが47歳らしいですよ。

一夜。

選手なら誰しもスタメンでゲームに出たいもの。

ましてや一度でもエースナンバーを背負った事がある者なら尚更だ。
それでも最初から「控えで呼んだ」と言われたW杯。
今の自分にできることを精一杯する為に
「私にはスピードで試合の流れを変える自信がある」
と何度も何度も自分に言い聞かせ
練習では率先して声を出し
メディア取材では自ら道化役をかって出た。
先発メンバーが試合に集中出来るように思いつく限りのことをした。
そしてあの夜を迎える。
ドイツW杯準々決勝。

f:id:tk1969:20150422202220j:plain

悲願のメダル獲得を目指す日本と
地元開催で女王復権を目指すドイツ。
息詰まる一進一退の攻防の中ついにその瞬間が訪れる。
延長後半。
交代出場でピッチに立っていた彼女
「途中から出てる分他の選手より体力は余っている」
足が止まりそうになれば
頭の中でその言葉を繰り返し
前線でチェイスとプレスを続けながら
味方ボールになれば何度も動きだしをやり直していた彼女に
絶対エースからの絶妙のラストパスが通る。

f:id:tk1969:20150422202340j:plain

日本では明け方に近い時間。
テレビの前の
僕だけじゃなくあの試合を見ていて
彼女を昔から知っている誰もがきっと叫んでいたはずだ。
「行け!カリナ!」
角度のない場所から放たれたシュートは
見事ドイツのゴールを揺らし
その後
決勝まで続いていくなでしこの劇的ゴールラッシュの口火となった。
サッカーの神様が彼女に微笑んだ瞬間だった。
一番キレイなメダルを手にした彼女は一躍人気者になり
日本に帰国してからは更にその勢いは増す。
あれだけ書かれたネットでの罵詈雑言は全くなくなり
彼女自身もその事は封印し笑顔でメディアに乗り続けた。
そうすることが
その時の彼女にとっては自分にできる精一杯の事だったから。

f:id:tk1969:20150422202504j:plain

そんな彼女に次なる試練が訪れるとは。
今後のサッカー人生さえ脅かす悲劇に見舞われるとは。
誰も想像していなかった夏の終わり。
W杯後すぐに行なわれたロンドン五輪最終予選が始まる。
今思えば
何も準備の無いまま入ったドイツ。
激闘の疲労を取り去る間も無く
過密なスケジュールとタイトな日程の中
無理に無理を重ねた代償は余りにも大きかった
疲労の蓄積は彼女の膝を徐々に蝕んでいたのだろう。
間違いなく。
 
次回へ続く。