走継。
今年もまた
それが自然なことのように
君はその決意を刺繍した黒いスパイクを履くんだね。
今年もまた
それが自然なことのように
サッカーの神様が息吹をふきこんだ名門チームの
背番号40のジャージを羽織るんだね。
そして今年もまた
試合中はそれが自然なことのように
前線の選手達に
痺れるようなパスを通し続けるんだね。
君のプレーを楽しみにしている
君に勇気づけられ
君に励まされている子ども達に
サッカーの楽しさ厳しさ難しさを
プレーを通して伝え続けていくんだね。
この日になると
まるで思い出したかのように
テレビや色んなメディアが復興支援のコンテンツを組むけれど
君が一年を通して
いや君があの日からずっと欠かすことなく続けている活動が
いや君があの日からずっと欠かすことなく続けている活動が
どれだけかの地でサッカーをする子ども達に
希望を勇気を与え続けてきたか
現役のサッカー選手として
トップリーグのトップチームでプレーしながら
本当にそれが当然なことのように
君はこの4年間を過ごしてきた。
僕がこの日記で
君宛の手紙を書くのももう3回目になるんだね。
その間に
当初は活動休止の苦境に立たされながらも
「せっかくなら同じ東北へ」と
かの地の皆さまの温かさに迎えられたあの子達のチームは
代表チームに選手を送り出すまでになったよ。
僕が卒アルを作っているド田舎の町の中学生は
どんな縁があったかは知らないけど
浪江町の中学校と交流活動をしてくれているよ。
君がかの地の子ども達の為にしてくれている事も
いつかきっと花開いて
未来のJリーグへ繋がっていくんだろうね。
だから満男君。
今年もまた君の黒いスパイクから
一本でも多くのパスが繋がれていく事を
楽しみにしているよ。
平成27年3月11日
東北が生んだ日本屈指の天才パサーの
熱い闘志と情熱に心からの敬意をこめて。