まだ49なんだからね。

気分はお兄ちゃんですが49歳らしいですよ。

某星。

側用人の憂鬱

「イヤじゃ。イヤじゃ!余は我慢ならんのじゃ!」

奥の部屋から何かを投げ散らかす物音と共に
聞こえる罵声を耳に家臣達は思案に暮れていた。
「上さまのお怒りもそろそろ限界のようですな」
「普段は心根の優しい良いお方なのに
事今回の件に関しては全く手のつけようもございませぬ」
「このままではせっかく完成した
城内のwifi環境が台無しになりかねませぬ」

某宇宙の某太陽系にある某惑星の某島国のお話。
その人柄と食べっぷりで国民から絶大な支持を受け
時に民に癒しとなる絵画を表し時に民と共に祝福の舞を舞う
桜の国の誰が呼んだか食いしん坊将軍。
そんなのどかで麗らかな桜の国に
国の存亡の危機にさえなり兼ねない事態が迫りつつあった。

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「じぃ!じぃはおらぬか?
余は、余はポテチが食いたいのじゃ!」

前年に桜の国を襲った大規模な自然災害で
国内のジャガイモ生産量の6割以上を占める地域が
甚大なる被害を受け
ポテチを作ろうにも原材料のジャガイモがない状態
は深刻さを極めていた。
桜の国の栄華を支えてきた食いしん坊将軍の唯一の欠点
一度お腹が空いてしまったら
大好物のポテチを食べるまで暴れだし
周りにあるものを投げ飛ばし蹴り飛ばしスマホを水没
させたりもしてしまう事さえあるのだ。

「お側用人
このままでは城中の超精密機器が全てダメになって
家電量販店の思うツボにございます」
「確かにその通りですな。」

いやいや待て待て
家電量販店の思うツボで済めばまだ良い
このままの調子で破壊と損壊が繰り返されれば
ジャガイモどころか
家電量販店やwifi環境を提供できるショップまで
存亡の危機に瀕してしまいそうだ。
なんとかせねばなるまい。
「ここはあの方にお力をお借りするとしますかな」

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「某国のEです。」
エピソード8 ~トランスファーマー・伝説の農夫~
act.1 側用人の憂鬱

※この物語はフィクションです。