長巻。
今はどうだか知らないけど
僕が超貧乏学生だった遠い昔の話。
遊びに来た友達に
「響子さんと惣一郎のいない一刻館」と呼ばれた
十三の外れにあった風呂なしトイレ共同のおんぼろアパート
に住んでいた頃。
に住んでいた頃。
写真学科の学生だから写真を撮りまくらねばならんのに
そんなに撮りまくればフィルム代だってバカにならないじゃん。
な貧乏学生を支えてくれていたのが
100ft巻のモノクロフィルムだった。
本来ならフィルムローダーと言う専用の道具を使い
専用のフィルムケース(パトローネ)に装填するのだが
貧乏学生にそんな余裕などあろうハズもなく
おんぼろアパートの押入れを暗幕とガムテで補強した
なんちゃってな暗室に篭り
DP屋さんで貰ってきた使用済みのパトローネをこじ開けて
目分量で詰めて使っていた。
もう最近の若い子はフィルム自体を知らないかもしれないな。
だいたいどこのフィルムメーカーでも
12枚撮り24枚撮り36枚撮りとかのフィルムがあってね
どのケースを使っても「40枚撮れる」くらいは詰めれるんだけど
なんせあくまで目分量で詰める訳だから
カメラのカウンターを見ても後何枚撮れるとか分かんないよね。
しかも貰ってきたケースがメーカーも枚数もバラバラ
な上に殆どがカラーフィルム用のケースだし。
まぁフィルムを見れば白黒かカラーかは分かるんだけど
なんせ僕は酢酸溶液をポカリのペットボトルに入れて
「オマエそれはアカンやろ‼‼」
的なトラップを仕掛けるようなヤツじゃん。
だから敢えてシャレで「2~3枚だけ撮れるかも?」
的なヤツを作って
ロケの授業の途中とかで友達に貸してやる用
なんか作ってみたりもしたんだけど
わざわざ少ない用とか書いたらバレるじゃん。
んでもってカメラバッグの中でシャッフルされて
自分で自分のトラップにハマるとか偶にありましたね。
大容量のメモリーカードのおかげで
撮影枚数をあまり気にしなくて良くなった今では
信じられないような
古き良き時代の懐かしい思い出だ。