経緯。

僕が入社した頃は
まだウチの会社が提携しているホテルでも
土日毎に結婚式があったりして
撮影の予定を入れる時も
まずホテルに結婚式の組数を確認してから
みたいな感じだったんですが
最近では年に数回あれば良い方な感じになって
ホテルの写真室もなくなってな感じなのに

よりによって

役員夫妻が東京に出張が決まっていて

専務が結婚式の出張撮影を受けていて尚且つ

小学校の運動会が複数開催される日に

親族集合写真もある神前式の婚礼があるなんて

そんなピンポイントで重なる事って今までなかったのに。

小さな小学校の運動会は売上的な面で

アルバイトを頼むと赤字の可能性もあるので

幾つかの学校は申し訳ないけどお断りを入れたのですが

さすがにどうしても断れない学校が一つ。

もうお友達の皆さんにはすっかりおなじみの

平和な邑の小学校です。

田舎ならではの独自性に基づくルールによって

保護者の方は本部席側からの撮影ができなかったり

そもそも誰も写真用のカメラを持ってこなかったり

少しでもウチの売上が上がる様に

僕が大手を振って遊びに撮影に行ける様に

色々と便宜を図ってくれる上に

ご家庭の殆どがウチに記念写真を写りに来て下さるお客様と

僕をT君と呼びタメ口で話すお子様がいるのだから

途中で別のスタッフを残して婚礼写しに行くとしても

断るのだけはあり得ませんから。

そんな旨を学校に伝えたところ

保護者の方が楽しみにされているバージョンがある

応援合戦を少し前倒しにする等
競技の順番の変更をしてくれた上に
ウチのスタッフが一人でも困らないように
4年から6年まで合同でする組体操の
六年生の子ども達のフォーメーションと移動図を

実に詳細に記入した早見表まで用意してくれていました。

しかも

「もしもの事があったとしても組体操や騎馬戦は
もう一回、午後の部の地区の運動会でやらせばいいから

婚礼に遅れない様に行って下さい」

と夏には花嫁の父になる校長先生が言ってくれてましたし。
ただ断った学校にはどこも断ってる事にしてるので

スタッフに事前練習して貰ってまで

平和な邑の小学校だけ運動会写しに行ったのは

他の小学校の先生方には内緒にしておいて下さい。