法螺。
LOVE ME TENDER
むかし昔
ある所にそれはそれは見目麗しい三毛猫がいました。
その三毛猫は見た目の美しさに加えて
周りにいる人を幸せな気分にさせる不思議な力を持っていました。
やがてその三毛猫の魅力に惹かれた人間たちが集い
三毛猫を崇め奉るようになり
いつの間にか三毛猫の名前を冠した宗教になりました。
そんな三毛猫の魅力に惹かれた人間とは別の存在が
三毛猫を自分のものにする為に人間たちに戦いを仕掛けましたが
懸命な人間たちの奮闘により事なきを得ました。
人間とは別の存在は
どうせ自分のものにならぬなら滅びてしまえばいい
そんな呪いをかけながら力つき
やがて地球上から猫たちはいなくなってしまったのです。
「おとぎ話かよ!」
私の存在なんかまるで気にしていないように
砂漠を移動し続けるシェルターで
暇に任せて読みふけっていた「猫の生態Mの記」のラストが
まさかの昔話と言うかおとぎ話だなんて。
さすがに脱力感に眠りにつき
浅い眠りの後
目が覚めるとシェルターが停止していて
私が起きたのを確認したかのように
シェルターの外へと通じるハッチが開いたのだった。
浅い眠りの後
目が覚めるとシェルターが停止していて
私が起きたのを確認したかのように
シェルターの外へと通じるハッチが開いたのだった。
西暦2000年代の終わり頃
まだまだ文明の栄華の中にあったこの星の
北半球にある島国を拠点とした新興宗教が爆発的に普及した。
「ご聖体」と呼ばれる三毛猫を崇めるその宗教には
三毛猫の意思を信者に伝える「いたこ」と呼ばれる人間がいて
「ご聖体」と「いたこ」が暮らす
「総本山」と呼ばれる場所は聖地とされ
「総本山」と呼ばれる場所は聖地とされ
訪れた者は決して聖地の場所を他言してはならない
厳格な決まりがあったらしい。
その為
聖地を訪れし者は勇者として他の信者から尊敬されると共に
地図と看板を目印に聖地を探しだし
訪れた者のみに与えられる
「いたこ」手作りのマカロンを食べることが
「いたこ」手作りのマカロンを食べることが
信者としての最大の喜びであった。
らしい。
その人気新興宗教も
北半球が破棄された地とされている西暦2400年代には
誰も知ることがないものとなっていた。
ただ一つの文献。
生物学者E何某博士の著書
「猫の生態Mの記」に載せられた昔話を除いては。
「某国のEです 」エピソード7~猫の惑星~
act.12 LOVE ME TENDER
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※この物語はフィクションです※
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