まだ49なんだからね。

気分はお兄ちゃんですが49歳らしいですよ。

法螺。

LOVE ME TENDER 
 

むかし昔

ある所にそれはそれは見目麗しい三毛猫がいました。
その三毛猫は見た目の美しさに加えて
周りにいる人を幸せな気分にさせる不思議な力を持っていました。
やがてその三毛猫の魅力に惹かれた人間たちが集い
三毛猫を崇め奉るようになり
いつの間にか三毛猫の名前を冠した宗教になりました。
そんな三毛猫の魅力に惹かれた人間とは別の存在が
三毛猫を自分のものにする為に人間たちに戦いを仕掛けましたが
懸命な人間たちの奮闘により事なきを得ました。
人間とは別の存在は
どうせ自分のものにならぬなら滅びてしまえばいい
そんな呪いをかけながら力つき
やがて地球上から猫たちはいなくなってしまったのです。
「おとぎ話かよ!」
私の存在なんかまるで気にしていないように
砂漠を移動し続けるシェルターで
暇に任せて読みふけっていた「猫の生態Mの記」のラストが
まさかの昔話と言うかおとぎ話だなんて。
さすがに脱力感に眠りにつき
浅い眠りの後
目が覚めるとシェルターが停止していて
私が起きたのを確認したかのように
シェルターの外へと通じるハッチが開いたのだった。

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西暦2000年代の終わり頃
まだまだ文明の栄華の中にあったこの星の
北半球にある島国を拠点とした新興宗教が爆発的に普及した。
「ご聖体」と呼ばれる三毛猫を崇めるその宗教には
三毛猫の意思を信者に伝える「いたこ」と呼ばれる人間がいて
「ご聖体」と「いたこ」が暮らす
「総本山」と呼ばれる場所は聖地とされ
訪れた者は決して聖地の場所を他言してはならない
厳格な決まりがあったらしい。
その為
聖地を訪れし者は勇者として他の信者から尊敬されると共に
地図と看板を目印に聖地を探しだし
訪れた者のみに与えられる
「いたこ」手作りのマカロンを食べることが
信者としての最大の喜びであった。
らしい。
その人気新興宗教も
北半球が破棄された地とされている西暦2400年代には
誰も知ることがないものとなっていた。
ただ一つの文献。
生物学者E何某博士の著書
「猫の生態Mの記」に載せられた昔話を除いては。
 
「某国のEです 」エピソード7~猫の惑星~
act.12 LOVE ME TENDER
 
この物語はフィクションです
 
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