形而。
HUMAN SYSTEM
今更こんな事に気付いても
何がどうなる訳ではないかも知れないが
今更その事実を知ったとして
この先の見えない任務がどうなる訳でもないのだが
仮設観察小屋と呼ばれるシェルターに監禁されて数ヶ月
私は知ってしまったのだ。
私が置かれている状況の悲観さを増す事実を。
おかしいとは思っていたのだ。
日々、目の前を流れ過ぎていくチビ猫と呼ばれる生体が
楕円形の体躯を首の動きだけで方向を調整しながら
流れ過ぎていく砂漠の起伏が
日によって変化しているように思えていたのは。
ただ辺り一面見渡す限り砂漠の中
目の錯覚もしくは偶に巻き起こる砂嵐のせい
とも思えていたのだが
どうやら私が閉じ込められているこのシェルターは移動している。
私がチビ猫の観察を終え寝ている間に
確実に移動している。
この事実が何を意味するのか
任務の理由さえ知らされていない私には知りようもないが
「いったい彼らは何処から来て何処へ向かうのだろう」
っていう前に
いったい私は何処へ連れて行かれようとしているのか
そっちの方が俄然心配だ。
忘れさられた大陸があり
忘れさられた現実がある。
いくら存在していると主張しても
知られ無ければ存在しないのと同じなのだ。
存在を知られていて初めて隠れるとい行為も成立する
かくれんぼも鬼ごっこも
参加しなければ誰にも探してももらえないし
誰も逃げてもくれない。
誰かが
訪れた誰かが声を上げなければ
隠れ家的な名店でさえ
ただの客が来ない店になってしまうのだ。
~She is here and he is there in the human system
I am here and you are there in the human system
She is here and he is there in the human system
I am here and you are there in the human system ~
西暦2200年代の中頃
一部の支配階級の都合で無かった事にされてしまった土地に
果たして何があるのか?
そもそも存在するのかさえあやふやになってしまった
西暦2400年代の話。
物語はいよいよ核心へと向かうのだ。
きっと
多分…
「某国のEです 」エピソード7~猫の惑星~
act.7 HUMAN SYSTEM
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※この物語はフィクションです※
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