帰郷。
去年の秋口の話。
ウチの上級役員様が所属しておられる女性の為の某会で
とある企画が持ち上がっていた。
今年その会の所属支部が周年記念を迎えるので
晴れの国ゆかりのアスリートを呼んで
周年記念の事業として講演会をしてもらおう
的な話になり
倉敷出身のフィギュアスケーターと
岡山出身ではないけれど
今や日本女子サッカー代表のキャプテンを務める
出湯の里のサッカーチームのレジスタと。
特にあまりメディア露出しない彼女の方が話題にもなるし
面白いんじゃないか?的な話になった。
問題は
今年の夏にカナダで行われるW杯の為に
いつもにも増してタイトになるであろう彼女のスケジュールと
それより何より
彼女は人前で講演したりするのがとても苦手ということだった。
ただ講演に関しては
質疑応答式にしたりサッカー教室的なイベントにしたりすれば
それ程負担にはならないだろうし
ただの講演会よりも確実に人は呼べるだろう。
やはり一番の問題は日程だ。
シーズンインしてしまったら
「朝眼が覚めて一番に考えるのが
サッカーのことじゃなくなったら引退する」
サッカーのことじゃなくなったら引退する」
とまで言うあの子の事だ
チームにサッカーに専念したいだろうしそうさせてあげたい。
ならばシーズンオフならばどうか?と
会のツテをたどってクラブに問い合わせてみたところ
「来シーズンの契約はまだ未定なのでお答えしようがありません」
と実に大人な回答が返ってきた。
まぁ問い合わせてくれたのが
スポンサーでもある地元新聞社のお偉いさんだったので
中途半端な回答はできませんわな。
的な事になってそれからウチの会社も忙しいシーズンになり
すっかり忘れた事にしてた話がぶり返してきたそうな。
せっかくならいっそのこと
「カナダのW杯が終わってからシーズン再開までの間に
もう一回頼んでみたらどうでしょう」
と役員様に言ったところ
「結果によったらコッチに戻ってもこないんじゃない?」
的な心配をされていたのだが
あの子をなめてもらったら困るんだな。
ドイツの時だってフィーバーだの受賞ラッシュだの
メンバーの多くが色んなメディアに引っ張りダコな中
主要メンバーでありながらその殆どを断って
「ゆっくり温泉に浸かりたい」と岡山に戻った前科があるんだぜ。
今回もきっと
岡山には「帰る」と言って
千葉の実家には「行く」と言うあの子らしく
千葉の実家には「行く」と言うあの子らしく
何があっても「まずは湯郷」というポリシーだけは
覆らないと僕は思っています。
それこそが
我らがサッカー小僧の我らがサッカー小僧たる所以。
きっとウチの職場の町にだって
あの人懐っこい笑顔で来てくれるんじゃないかな。
もちろん一番キレイな色のメダルを持って。