陽光。
かつて
僕が驚嘆した奇跡の少女を目撃したのは19年前。
それから地道な努力と支援の道をつなぎ
ドイツにて大輪の花を咲かせたのも
もう3年前になってしまうのか。
そんなある日、ユースのカテゴリーの試合にて僕は
この先の日本女子サッカー界を担う希望
ともなるかも知れない二人の少女のプレーを目撃したのだが
二人とも未来を明るく照らす名前を
持っていたのもあながち偶然とは思えない。
一人は文字通り日本に元気を届ける太陽の子。
リズミカル且つアクセントの効いたドリブルは観客を魅了し
左右関係なくボールを捌ける両足は
彼女が研鑽を重ね続けてきた証。
ここぞと言う所でチャンスが回ってくる運と
大舞台に活躍の場が訪れる運。
エースを名乗れるべき素養を備えている。
そして
いかにも日本人とも言うべき
覚えやすく親しまれ易い彼女の名前も
今までのなでしこの選手には不思議と無かったもの。
もう一人は
なでしこの行く先を指す一筋の光。
冷静沈着な戦術眼とピッチを俯瞰できる広い視野。
ダイナミックなプレーとそれを支える豊富なスタミナ。
ピッチ上で一際大きく見える姿勢の良さ。
どんなに回りにちやほやされても
常に一歩引いた目線で自分を見られる感覚。
そして端正な顔立ち。
今はまだ
最強の名と共になでしこのジャージを纏えるまでは
残念ながらたどりつけてはいないが
どうか一歩一歩着実に世界への道を登り続けて欲しい。
キミ達から頂へ近づいていかないと
お姉さん達だって
いつまでも同じ場所で待っていてはくれない
カナダへ
そしてリオへの航海はもう始まってしまったのだから。