手紙。
満男君へ。
君が東北人魂と刺繍されたスパイクをはいてから
もう2年の時がたとうとしているんだね。
震災の直後から
かの地の方々の為に走り続けた君。
選手としても人間としても様々な葛藤があった事と思います。
サッカーチームとしては
かの地の名を背負う
ゴールデンイエローのジャージを纏うチームが
クローズアップされていたけれど
君がそのキャリアを捧げてきたチームも
何より東北の地で生まれ育った君だからこその
復興へかける想いは僕には想像もつかないくらいだと思う。
あれから2年。
僕はまだかの地へは行けずにいるけれど
それでも僕の写した子ども達の思い出がいっぱい詰まった
卒業アルバムを僕の思い通りの形に仕上げてくれる
僕にとってはかけがえの無い印刷屋さんから届けられた
ユメヲツグモノを見返すたびに
君の言う
「復興に一番重要なのは子ども達の笑顔」
という言葉が思い知らされます。
だからこそ満男君。
東北が生んだ日本屈指の天才パサーがピッチの上に君臨する事が
君の活躍を楽しみにいている子ども達に
何よりの笑顔と勇気を与えられると僕は思います。
常に勝利を求められ続ける君のチームでは
ゲームに出る事さえし烈な争いがあるのは承知の上で
それでも僕は
1本でも多くのパスが君の黒いスパイクから生み出される事を
願わずにはいられません。
平成25年3月11日。
今年もまた決意と覚悟とともに走り続けるであろう
天才パサーの闘志に敬意を込めて。