塩梅。
『叶わない恋だと知ってても いつも一番近くで君を見てた』
僕がもうずっと大好きな歌がある。
初めてこの曲を聞いてから20年くらいになる。
それまでもそしてそれからも
色んな曲を知ってそれぞれに好きになったけど
今でも「どんな歌が好き?」と聞かれたら
「え?誰の歌?」と聞き返されるのを承知で
その歌のタイトルを答える曲がある。
『突然の告白困らせたね忘れてと言ったけどもう遅いね
友達と思えたら君までこんなに悩ませることもないのに』
片思い/ジャングルスマイル
今はもう解散してしまった彼らと僕との出会いの曲。
ラジオで初めて最初のフレーズを聞いて
それからずっといつも僕の傍にある曲。
吉田ゐさお君の編み出す少しせつなげで優しいメロディに
高木郁乃ちゃんの紡ぐフレーズが重なった時
僕にはちょうどいい塩梅の音楽の形になる。
何より彼女の紡ぎ出すハッピーエンド率が低めな物語。
そのマイナス方向へのベクトル具合も
僕にとってはちょうどいい塩梅のマイナス加減なのだ。
『他の誰かに恋ができるまで上手く笑えるようになるまで
少し時間かかってしまうけど君は今までどおり笑っていて』
けっして熱唱するタイプではないけれど
一言一言を噛みしめるように歌う彼女の歌。
少し気分が落ち加減の時こそ聞きたい一曲なのです。